健康被害防止のための化学物質管理

産業現場で使用される化学物質には数万種類あり、新規化学物質も年々増加しています。化学物質による健康被害から従業員を守るため、全ての事業者が適切な化学物質管理を行う必要があります。改正労働安全衛生法ではリスクアセスメントの義務化やSDS交付の努力義務、特定物質の個別規制などが行われ、化学物質管理の目的は法規制対応だけではなく、労働者の健康被害を防止することに焦点があてられています。化学物質管理の基本的な考え方として、全ての化学物質の把握、リスクアセスメントの実施、代替物質の検討、作業環境管理の徹底、作業の適正化、健康管理、体制確立と教育といったプロセスがあります。

少量で使用する物質も含め全ての化学物質のSDSを基に、健康障害のリスクや火災リスクなどの危険性・有害性を把握し、対策していきます。この際に重要なのは、危険性・有害性の少ない代替物質がある場合には可能な限りそちらへ切り替えて使用していくことです。次に発生源の密閉・隔離、拡散などを行い、取扱い物質濃度が無毒レベルになるよう作業環境を改善します。環境作りでどうしてもリスクが低減できない場合は、作業時間や取扱い量の低減、保護具の着用など、作業の見直しによってカバーします。

就業の適否についての判断は、健康診断などの従業員の健康管理になります。そして最終的に、ここまで実施した化学物質の調査や管理施策について従業員に周知徹底することで、それぞれが化学物質管理を意識的に行えるような体制を構築します。化学物質管理のステップを説明しましたが、管理徹底のためには有資格者を管理責任者とし、リーダーシップを取ってもらうことが有効です。管理責任者を中心に、体制づくりと安全衛生教育を推進していきましょう。

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